joy!わたしの楽しみ・ライブパフォーマンス第1公演
joy!わたしの楽しみ 公演初日(2009年4月10日)
長崎新聞で記事として紹介していただきました。人文字、joy!ではじまりです。
演の合間に頻繁に行われたミーティング、
テーマや流れのすり合わせ、おのおのの気持ちを明かしながら表現する方法や
意味を話していきます。大事なノートも絵と文字でいっぱいになってきました。
わたしだけの表現ではなく、3人の中でわたしはどこで何を感じているのか、
客観的に見つめる時間。
初日の公演のモチーフは「キャベツ」
わたしの中でのテーマは孤独と自立。ある日山の中で見た風景、キャベツ畑におじさんが一人、黙々と農作業をしていている。わたしが求める静かな姿。今のわたしは次々、次々に進む。山に響くキャベツ畑の収穫の音、バサッ、バサッ、キャベツの外側の葉が土に落ちる。
この音が、今の私と内に求める私の胸の隙間にバサッ、バサッ、入ってくる。
公演のはじまり、外からピアニカの音とともに現れる。
私は空から白い階段を降りてきて求める姿、キャベツのおじさんになる。
キャベツの葉を剥きながらキャベツの葉を落としていく。
そして音は、キャベツの葉がむかれる音のみになり、
床に落ちるバサッ・・・バサッ・・・
この床に落とされたキャベツの葉を一枚一枚、ジュンコさんが一列に並べていく。
キャベツをむきながら、どんどん、どんどん小さくなっていくキャベツ。
そして自分が行っている大切なものを床に落としていく。
フフッて笑がこぼれる。単純に楽しい。
かわいそう、ということを思えば涙はあふれる。
剥くことでこのキャベツの構造に感動すると笑う。
ただ、キャベツを剥きながら歩くことで、どんな気持ちにでもなれる。
この果てしない想像力。
共演者のジュンコさんは私と全く別の発想をもっている。でも根っこや求める方向は同じ、表現内容も似ている。ただ、材料や手段が違うしストイックな私には、驚くほどのユーモアで遊びがあって、余裕があるという・・・・・ほんと、優れた人だ。
助け船をいつも用意している!
ジュンコさんはキャベツをぐるりと一周、円にしてくれた。この日、月は16夜。
私の中でも大事な円。そこに花を添えることの喜び、そしてこの円はSOSOがあちこち駆け巡る、旅。子供のときに同じところをぐるぐるまわることの楽しかったこと。
小さいときから花畑で育って、いつも花を腕にかかえて、父と母のあとを歩いて回った。あのときも今も、同じ。ぐるぐる同じところをまわりながら、少しずつ花を活けていく。旅先で出会ういろんな人や出来事に色がついていくように、私の時空間にも色がついてきた。
なんて、美しい。
SOSOの日々の思いを胸に花を手にする。ジュンコさんの、どこまでも包み込もうとする大きな愛を感じながら、花を手にする。
孤独、私は小さいときから分かち合えなかった寂しさを胸に、こうしてキャベツを剥くのを観察したり、それを意味もなく、干してみたり、いじってみたり、することが楽しみだった。
そして大きくなった今も、多くの時は楽しみを分かち合える友がいなかった。
でも、このキャベツの公演中は違う。思う存分、あの時の楽しみと同じ今を楽しむのだ。
そしてそのことを許す私になろう。孤独から自分を解放しよう。
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